NEWS-EXHIBITIONS
生誕110年 松本竣介
[小企画]堀江 栞—触れえないものたちへ
神奈川県立近代美術館鎌倉別館での「松本竣介」展にあわせた、小企画として展示を行います。
初期作から、昨年の個展で展示した近作、VOCA展2022で佳作賞をいただいた《後ろ手の未来》、本展に合わせた新作など、約30点に加え、ドローイング等も出品いたします。
本展では、平凡社「こころ」、多和田葉子『献灯使』(講談社)、青野暦『冬の森番』(思潮社)、平松洋子『父のビスコ』(小学館)の装画にご使用いただいた原画も展示されます。
展覧会会場では、本展に向けたインタビューを収録したリーフレットも配布予定です。
3月に刊行された画集『堀江栞 声よりも近い位置』(小学館)も、お取り扱いいただいております。
[概要] (神奈川県立近代美術館鎌倉別館 公式サイトより引用)
「心から好きなものを描き、その芯を確かな形として表したい」。1992年に生まれ、日本画の道に進んだ堀江栞は、そうした思いから動物や石、人形などの対象と向き合い、岩絵具特有の質感で描いてきました。24歳の時、フランスで暮らした経験から、人物画にも取り組み始めます。堀江によって描かれる人びとは、どこか寄る辺ない孤独にありながら、こちらに確かな眼差しを送り続けています。
「触れえないものたちへ」というタイトルには、こうした存在の内奥をめぐる作家の思索が込められています。自らの傍らにある他の存在。目には見えない個々の声に耳を澄ませるその姿勢は、堀江が幼い頃から私淑してきた松本竣介との対話に繋がっているのかもしれません。
本展では、初期から近作<後ろ手の未来>(2019-2021)を含む約30点を展覧し、次代を担う画家、堀江の創作の魅力を探ります。
展覧会の見どころ
1.「松本竣介」展にあわせて、近年注目を浴びている若手作家・堀江栞の作品を、初期から最新作まで展覧します。
2.動物や石、人といった対象に真摯に向き合い、岩絵具の粒子ひとつひとつを重ねて描いた本画約30点に加え、独自のアプローチによるドローイングも紹介します。
詳細はこちらから
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2022-matsumoto-shunsuke-and-horie-shiori
デザイン:栗原幸治(クリ・ラボ)
SOLO EXHIBITION
2021.04.3ー06.12
個展「声よりも近い位置」は、おかげさまで終了いたしました。
このような状況にもかかわらず、会場に足を運んでくださった皆さま、ご協力いただいた関係者の方々に深くお礼申し上げます。
会場

SOLO EXHIBITION
五島記念文化賞海外研修成果発表展
堀江栞 「声よりも近い位置」
Shiori Horie Solo Exhibition
”A Breath Away”
The 26th Gotoh Memorial Cultural Award Exhibition
A Showcase of Work Created During Overseas Residency
4.3.Sat—5.5.Wed
√K Contemporary,Space√K
※Space√Kでの展示は、当初の予定通り17日に一度終了いたします
22日(木)に再開し、5月5日(水)まで延長いたしました
4.3.Sat—5.15.Sat
√K Contemporary
5.20.Thu.—5.29.Sat
√K Contemporary(1F)
5.5に終了したSpace√Kでの展示を、
√K Contemporaryの1階ギャラリーで再展示しております。
『献灯使』(多和田葉子著 講談社 2014)や、
「ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション」全五巻(インスクリプト)の
装画の原画など、過去の動物の絵が中心です。
5.29.Sat—6.12.Sat
加島美術
会場
√K Contemporary 加島美術
Venue: √K Contemporary (Kagurazaka, Tokyo),
Kashima Arts (Kyobashi, Tokyo)
主催
Grant support provided by The Tokyu Foundation.
2015年にいただいた五島記念文化賞により、
パリで一年間の滞在制作を行った成果発表展です。
この展示は、昨年開催予定でしたが、延期して今春開催することとなりました。
「声よりも近い位置」にいるために 堀江栞
心から好きなものを描き、その芯を確かな形として表したいとの思いで、制作してきました。私には、有機溶剤に対するアレルギーがあります。油絵具やアクリル絵具等の、化学物質が入った画材を使えないため、日本画科に進学し、天然素材由来の岩絵具と顔料、和紙、膠だけで絵を描いてきました。私にとっては岩絵具の粒子ひとつひとつが、単なる画材ではなく、好きなものを形作る細胞のように思えます。
制作にあたって心がけているのは、モチーフを目の前に置き、距離を縮め、観察を重ねて描いていくことです。対象は、いつもすぐそこに、でも見えないところにあります。長い時間にわたって対話を続けることで彼らに近づき、静かに発せられる声を、なんとか聴き取りたい。展覧会の総タイトルを「声よりも近い位置」としたのは、そのような願いをこめてのことです。
描いていくなかで引き寄せられたのは、傷つけられ、痛みを負い、哀しさや辛さを抱えた存在たちです。それがこれまで描いてきた動物や石、人形でした。しかし今回のパリ留学をきっかけに、モチーフとしての「人」と向き合いたいと思うようになりました。
周りに合わせ、意思を表明しないまま流されていきがちな現在の状況に、私は不安を覚えています。歴史を振り返れば、同様の景色が広がっていたことは明らかです。小さな声は蔑ろにされ、異を唱えるものは居場所を奪われてきました。「痛みを負った哀しさや辛さを抱えている者」たちの声。周囲に、社会に踏みつぶされそうな声。そんな声を聴き取るために、「人」を描いてみたいとはじめて思いました。私が彼らを描こうとしているのは、単なる共感からだけではなく、その抗いの姿勢を継承するためでもあります。今はもういない彼らとこれから来る彼らに、寄り添い続けていきたいと思っています。
(Root K Contemporary)
〒162-0836 東京都新宿区南町6
6 Minamicho, Shinjuku-ku, Tokyo, 162-0836
03-6280-8808
Tel: +81 (0)3-6280-8808
11:00 - 19:00
日曜・月曜 休業
5月2日(日)、3日(月)は営業いたします
Business Hours:11am to 7pm
Closed:Sundays, Mondays and National Holidays
Kashima Arts Co., Ltd.
東京都中央区京橋3-3-2
3-3-2 Kyobashi, Chuo-ku, Tokyo, 104-0031
Tel: +81 (0)3-3276-0700
10:00〜18:00
日・祝日 休業
Business Hours:10am to 6pm
Closed :Sundays and Public Holidays
https://www.kashima-arts.co.jp/
@kashima_arts
Photos by 筒口直弘 Naohiro Tsutsuguchi
Flyer Design by 須山悠里 Yuri Suyama
※I was awarded the 26th Gotoh Memorial Cultural Award Fine Arts Division in 2015.